ISSUE 03 パートナー選びの基礎知識
そもそも、ダイキボシュウゼンってなに?
理事・修繕委員の方必見!
大規模修繕の必要性やおおまかな流れがこの1冊に。
大規模修繕の外部パートナー
なぜパートナーが必要なのでしょうか?
はじめての大規模修繕は、修繕委員にとってわからないことだらけ。「手順」「工事内容」「費用の目安」など検討すべき項目の予備知識がある人は、ほとんどいないでしょう。
そこで必要なのが専門知識を持つパートナーです。パートナーは、「診断」「計画」「設計」「施工」「監理」といった、専門的作業やそのチェックに必要な専門知識とノウハウを提供してくれます。
また、耐震基準などの法規制の変更の把握やその対処は一般人にとってはとても困難ですが、当該分野に専門知識を持つパートナーがいれば、必要な知見を得ることができます。
そのほか、パートナーが必要な理由としては、第三者の目で大規模修繕に対応できるという点があります。委員は当事者なのでマンションを客観的に見ることが難しいものです。
たとえば、個人的にバリアフリー化が気になっていたら、そこにお金をかけようとしてしまいがち。外部パートナーがいれば、建物の状況や大規模修繕の全体像を把握できるので、どこにどのくらいの割合でお金をかけるべきか、個々のマンションの必要性に合った修繕になるよう支援してくれます。
主要なパートナーのサービス内容
大規模修繕のパートナーになりうる企業や団体は、大きく分けて管理会社、コンサルタント会社、施工会社の3つです。
● 管理会社
ほとんどの管理会社は、大規模修繕の検討をはじめる段階からアフターサービスまで、すべての段階を支援します。
修繕委員からしてみると、すべてを管理会社に任せられるので手間がかからない反面、価格の透明性が確保できないため割高になるケースもあります。
また、管理会社の本業は設計や工事ではなく、その名の通りマンションの維持管理であることを念頭において置きましょう。
● コンサルタント会社
具体的な修繕項目を検討するための調査や診断の段階から取り組みに参加し、その後のアフターサービスまでを支援します。コンサルタント会社の母体の多くは一級建築士事務所で、マンションの現状を専門的な手法で調査し、調査結果や物件の特性、個別の事情を踏まえつつ、長期的な修繕積立金の活用イメージまで視野に入れて修繕の取り組み全体をデザインする専門家です。施工については施工会社の選定アドバイスと施工中の工事品質チェック(監理)に徹します。ただし、工事とは別途の費用が発生してしまうために割高感はありますし、コンサルタント会社・施工会社をそれぞれ選定する手間が生じます。
● 施工会社
建物調査・診断からアフターサービスまでを施工会社が請け負います。建物や工事に関して深い知識を持っているため、技術的なサポートを受けやすいことが特長です。
ですが、あくまで本業は工事に取り掛かってからの施工なのでそれ以前の段階も依頼する場合は、事前に実績や実力を見極める必要があります。
パートナー選びのトレンド
各パートナーの特長やトータルコスト、施工品質を考慮し、最近ではコンサルタント会社をパートナーとする設計監理方式が主流となっています。
この方式ならコストの内訳が明瞭になり、高い施工品質も期待できるからです。また、施工会社選定の際、施工会社各社が提出する見積りの妥当性をコンサルタントがチェックすることで、最終的に工事費用が圧縮できるという点も大きなメリットであり、他の方式にはない特長です。
