よくわかるマンション大規模修繕SUN

ISSUE 02 修繕委員のABC

マンション大規模修繕 用語集

《建物の区分所有等に関する法律》
1963年に施行された法律。通称「区分所有法」。1棟の建物を複数の人で所有した場合の各部分の権利関係や、建物と敷地を共同して管理する組合の設立・運営方法などを定めている。
《総会》
マンション管理組合の最高の意思決定機関。規約の設定・改廃、理事長の選任・解任などの重要事項を決議する。年に1回は必ず開催される(定期総会)。また、理事長は必要があればいつでも開催することができる(臨時総会)。
《理事会》
管理組合の実務を行う機関。一般的には理事長、副理事長、会計の3役のほか、複数の理事が在籍している。理事長は管理組合を代表し、管理規約や総会・理事会などの決議により理事長の職務として定められたことを行う。副理事長は理事長を補佐し、理事長に事故があったときはその職務を代理し、理事長が欠けたときはその職務を行う。会計は管理費などの収納、保管、運用、支出等の会計業務を行う。
《諮問機関》
一般的には行政庁の諮問(依頼)に応じて専門的見地から調査・審議し、意見を述べる学識経験者などによる機関。本誌では理事会からの依頼を受け、大規模修繕を専門に調査・審議し、意見を述べる組合員による機関を指す。
《管理規約》
マンションの維持・管理についての基本的なルールを定めたもの。区分所有法を基に作成される。一般的には分譲会社や管理会社が当初の規約を用意している。管理規約には、より詳細なルールを定めた細則があるのが一般的。細則においては、ペットの飼い方やゴミ置き場の使い方などマンションで暮らす上での具体的なルールを定めている。細則を変更する場合は、総会にて所有者の議決権の過半数の賛成が必要。
《修繕計画》
建物調査・診断の結果から工事の材料・数量、工法などを計画すること。同時に概算費用も算出する。設計監理方式の場合は、コンサルタント会社が作成。
《施工会社》
コンサルタント会社が作成した修繕計画を基に、大規模修繕工事を行う会社。工事中は、この会社の現場代理人が窓口となり、進捗の管理やクレーム対応などを行う。
《管理会社》
管理組合から委託を受けてマンションの管理業務を行う会社。日常の清掃、エレベーターや浄化槽などの設備管理といった業務を担う。
《工事請負契約》
工事の完成とその報酬の支払いに関し、理事会と施工会社との間で締結される契約。一般的には工事内容、請負金額、工期、請負金額の支払条件、設計変更または工事中止の場合の損害負担に関する定めなどを記載した契約書と、その内容を補足する約款などによって取り交わされる。
《工事監理》
工事の進行状況や施工品質をチェックすること。設計監理方式で大規模修繕を行う場合はコンサルタント会社が工事監理を担当する。
《下地補修》
建物本体のひび割れ、鉄筋の欠損・外壁材の浮きなどを補修すること。そのまま放置すると、ひび割れから雨水が浸入し、内部の鉄筋が錆びることで建物の寿命を縮めてしまうので、非常に重要な工事。
《騒音の発生を伴う工事》
ほとんどの建築工事には騒音が伴う。大規模修繕の場合は、外壁に穴を開けるために使用するドリルなどで騒音が発生する。
《定期点検(アフターサービス点検)》
工事した部分に不具合はないか引渡し後1年目、2年目といったように定期的に点検すること。アフターサービス点検ともいう。その周期、頻度は契約内容によって異なる。
《委員長、副委員長、会計(修繕委員会の3役)》
修繕委員会内の役職として一般的には委員長、副委員長、会計の3名を選抜する。委員長は修繕委員会を代表し、その業務を統括する。副委員長は委員長を補佐し、委員長に事故があったときはこれを代行する。会計は委員会運営のための事務費や定例会時の飲食費などの会計業務を行う。

本誌発行会社代表よりごあいさつ

代表取締役 会長 阿部 悠久子

「よくわかるマンション大規模修繕 SUN」は、今回で2号目になります。
1号からご覧いただいている方も、この2号からご覧いただいた方も「修繕委員って、大変なんだなぁ」と感じたのではないでしょうか。
そういう私も、この冊子の編集に携わることで「私たちの仕事は、こんなにもお客さまにご協力いただきながら進めているものなんだ」と痛感しています。

とはいうものの、工事をひととおり終えお引き渡しをするとき、ほとんどの委員のみなさんは、本当に晴れ晴れとした笑顔を浮かべています。
ついこの間も、工事を終えたばかりの修繕委員長さんにお話を伺う機会がありました。「今回の工事はどうでしたか?」とたずねると、即座に「実に楽しい経験でした!」と笑顔を見せてくれました。
また委員長さんは、こうもいっていました。
「うちのマンションは、ずっとここに住み続けようと考えている人がほとんどです。今回の修繕で、自分たちの資産は自分たちで守ろうという意識が生まれました。組合員の結束が強まるきっかけをつくったのが私たちだと思うと感無量です。修繕委員になって本当によかったと思います」

この冊子、そして工事を通じて、このようなお客さまがひとりでもふたりでも増えることを願ってやみません。

代表取締役 会長 阿部 悠久子

SUNシリーズ一覧

  • ISSUE 01 大規模修繕を知る
  • ISSUE 02 修繕委員のABC
  • ISSUE 03 パートナー選びの基礎知識
  • ISSUE 04 コンサル導入の手引き
  • ISSUE 05 修繕計画の予習帳
  • ISSUE 06 施工会社の選び方