よくわかるマンション大規模修繕SUN

ISSUE 03 パートナー選びの基礎知識

マンション大規模修繕 用語集

《コンサルタント会社》
母体の多くは一級建築士事務所。大規模修繕の技術的な専門知識を駆使して工事前の建物調査・診断から修繕計画の策定、工事監理までを担う。第三者の立場で客観的に判断、説明できる存在。大規模修繕工事を成功に導く管理組合のパートナー。
《バリアフリー化》
道路や廊下の段差をなくす、階段に手すりを設置するといったことを指す。高齢者や障害者にとって安全で住みやすい社会を作るために、障害・障壁を取り除こうという取り組み。
《マンションの維持管理》
本用語集内、「日常的な管理業務」を参照。
《監理》
工事の進行状況や施工品質をチェックすること。設計監理方式で大規模修繕を行う場合はコンサルタント会社が工事監理を担当する。
《管理》
本用語集内、「日常的な管理業務」を参照。
《管理会社委託方式》
既存の管理会社に大規模修繕の検討からアフターサービスまですべての段階を委託する方式で、管理組合の手間がかからないことがメリット。しかし、大規模修繕前の調査・診断から施工会社選択、アフターサービス点検まですべてを任せてしまうことになるので、価格の透明性を確保しづらいというデメリットがある。
《修繕履歴書》
マンションの維持管理、臨時的な修繕工事、過去の大規模修繕における、各所で行われた修繕の記録をとりまとめた文書。いつ、どのような不具合に対して、誰が、どのような修繕を行ったかが記録されており、通常、理事会にて管理を行う。
《居住者アンケート》
建物調査・診断の前や大規模修繕の後に行う居住者に対するアンケート調査。バルコニーの雨漏りや外壁のひびなど、普段の生活の中で気づいた不具合などを尋ねる。
《設計監理方式》
設計・監理を担う業者と、施工を担当する業者を分割する方式。役割分担が明確なので価格の透明性や工事品質が確保しやすく、現在の主流。一般には設計・監理をコンサルタント会社、施工を施工会社が担う。ただし、業者選定に手間が掛かる。
《設計事務所》
建築物の工事実施のために必要な竣工図書などの作成、工事監理、建築物に関する調査・鑑定などを行う事務所。マンションの大規模修繕においては、技術的な専門知識を駆使して工事前の建物調査・診断から修繕計画の策定、工事監理までを担う。
《専門紙》
ゼネコンや設計事務所など建築業界にかかわる人が読む新聞など。建通新聞などがある。大規模改修の依頼先の公募などにも利用される。
《居住者》
管理組合の構成員。国土交通省が提供し、多くのマンションで管理規約として採用されている「マンション標準管理規約」では、同規約の成立を以ってマンション区分所有者の全員が居住者となる。
《耐震基準などの法規制》
耐震基準とは、建築物や土木構造物を設計する際に、最低限度の耐震能力を持っていることを保証し建築を許可する基準。建築基準法および建築基準法施行令などの法令によって定められている。マンションの建築や改修に関わるおもな法律は、建築基準法の他、都市計画法、消防法、各施行令などがあり、そのそれぞれがマンションの構造や設備に規制を設けている。
《長期修繕計画書》
長期修繕計画は、建物・設備の各部分の劣化状況に応じて、適切な時期に修繕を行うための計画を指す。一般的には30年から40年先まで見越した計画として、入居前に販売会社や管理会社が作成し、文書として理事会に引き渡される。これを長期修繕計画書という。以後の管理は理事会が行う。
《日常的な管理業務》
マンションの維持管理に必要な業務全般を指し、一般に管理会社へ委託する。おもな業務内容は、管理組合会計の出納・理事会支援業務などの事務管理業務、受付・立ち会い業務などの管理員業務、共用部分の清掃などの清掃業務、建物・エレベーター設備・給水設備などの点検整備などの建物・設備管理業務。
《敷地》
マンションが建っている区画。建築基準法施行令(第1条一号)においては「1つの建築物、または用途上不可分の関係にある2つ以上の建築物のある一団の土地をいう」と規定されている。

SUNシリーズ一覧

  • ISSUE 01 大規模修繕を知る
  • ISSUE 02 修繕委員のABC
  • ISSUE 03 パートナー選びの基礎知識
  • ISSUE 04 コンサル導入の手引き
  • ISSUE 05 修繕計画の予習帳
  • ISSUE 06 施工会社の選び方