よくわかるマンション大規模修繕SUN

ISSUE 05 修繕計画の予習帳

マンション大規模修繕 用語集

《チョーキング》
チョーキングとは外壁塗装面の劣化現象。おもに紫外線、熱、水分、風などによって起こり、塗装面がチョークのような粉状になる状態。この状態で外壁をさわると手に白い粉のようなものが付く。
《バルコニー立ち入り調査》
バルコニーから下階や室内への漏水などの不具合を調査する。おもに目視、触診、打診、写真撮影などを行う。
《ひび割れ》
ひび割れの原因としては以下のようなものが考えられる。
●コンクリート中性化
●アルカリ骨材反応
コンクリートに含まれるアルカリ性の水溶液が砂利や砂などの骨材と反応し、膨張やひび割れなどを引き起こすこと。
●塩害
潮風や道路の凍結防止剤として撒かれる塩化ナトリウムなどによってコンクリート内部に塩分が入ると、鉄筋の腐食を招き、ひび割れの原因となる。
●凍害
コンクリート中に含まれる水分が凍結すると、その膨張圧でコンクリートにひび割れが発生。鉄筋の腐食を招き、ひび割れの原因となる。
《モルタル》
セメントを砂と水で練ったもの。タイルやレンガなどの接着のほか、外壁の仕上げ材としても利用される。
《ライフラインの突発的な不具合》
電気・ガス・水道といった毎日の生活に欠かせない設備に突然発生するトラブル。代表例としては、震災による敷地内の水道管の破裂、電源設備への雨水侵入による停電などがあげられるが、さまざまなケースが発生し得る。
《下地》
外壁のタイルや屋根の瓦などの仕上げ材の下にあたる部分のこと。モルタルや合板などが用いられる。
《改修》
不具合を元の状態に戻す原状回復にとどまらず、機能や美観を向上させるための工事。たとえば、耐震改修やバリアフリー化など。
《機械式駐車場》
複数階、または地下に作り機械的に出し入れする駐車場。限られたスペースに多くの車を駐車できるなどのメリットがある。一方で最近は車を持たない人が増えていたり、高齢化などにより車を手放す人も増加しているため利用率が下がり、計画していた収益が得られず、解体や埋め戻しの事例が多くなっている。
《躯体》
建物を構成する主要な構造体または骨組みのこと。マンションでは鉄筋コンクリート製の壁面や床など。木造住宅では木製の柱や梁など。
《建具》
建物の開口部に設けられたドア、戸、窓など。障子や襖(ふすま)といった室内を仕切るものも含まれる。人の出入り口としてだけでなく、通風や採光などにも役立つ。
《検査仕様》
工事中に行われる各検査の項目や実施方法。検査項目には、たとえば地盤調査や鉄筋が設計図に基づいて配筋されているかを確認する配筋検査などがある。
《工法》
修繕工事を行う方法。工法は多種多様で、予算や劣化具合などによって最適なものを選択しなければならない。たとえば同じ屋上の防水工事を行う場合でもアスファルトを利用する工法、ゴムシートを利用する工法、塗膜を利用する工法などがある。
《錆び》
一言で錆びと言っても発生する部位などによって問題は異なる。たとえば外階段など屋外で発生した場合は、強度が弱まり安全性が低下するだけでなく、錆びに雨水が当たることで錆汁となり周囲の外壁などが汚れる。また給水・給湯管に鉄を使うと赤さびの発生原因となる。赤さびが発生している場合、水道から赤茶色の水が出てくることがある。
《施工図》
マンションなどを建築する際に必要な図面や仕様書の総称。工事請負契約や建築確認申請の際に必要なすべての書類を指す。
《紫外線》
紫外線は物質に吸収された時、その物質の構造を変化させる作用がある。そのため、建築に使用されるさまざまな材料を劣化させる。たとえばシーリング材のほか、外壁塗装のチョーキングの原因となる。
《試薬》
コンクリート中性化測定試験では、おもにフェノールフタレイン試薬を使用する。同試薬はpH8.3 未満の酸性で無色、pH8.3以上13.4未満のアルカリ性で赤紫色に変色する。
《照明LED化》
LEDとは電圧を加えたときに発光する半導体で、日本語では発光ダイオードと訳される。蛍光灯の4倍の寿命があり取り替えの手間がかからない、消費電力が白熱電球の10分の1で省エネかつ低ランニングコストといったメリットがある(ただし、商品価格は蛍光灯や電球よりも高い)。そのため最近は建物を問わず照明をLED化するケースが多い。
《新設》
不具合を元の状態に戻す原状回復にとどまらず、利便性の向上などを目的に新たな構造物や設備を付け加える工事。駐輪所の設置やエレベーターの増設など。
《足場》
高所でも作業ができるように、鉄パイプなどで建物全体を囲むように組んだ構造物のこと。
《太陽光発電システム》
太陽の光エネルギーを電力に変換し、利用するシステム。マンションの屋上などに設置することで各世帯や共用部分の電力として活用できる。また、国が実施している固定価格買取制度を利用して電力を売却益を得ることも可能。この利益を修繕積立金などに回しているケースもある。一方で予測していたよりも発電量が少ない、太陽光パネルの反射光がまぶしいと周辺住民からクレームがでるといった問題も発生しており、設置前の綿密な調査が必要不可欠。
《打診棒》
一般的にはゴムやプラスチック製のグリップの付いた細長い金属の棒の先に、金属でできた丸い球が付けられた棒。モルタルやコンクリート製の壁などを叩き、音を聞き分け、内部の浮きや剥がれなどを判断する。
《大型設備》
大規模修繕においては、機械式駐車場、受水槽、エレベーター、給排水管といった設備を指す。2回目以降の 大規模修繕では撤去・新設・交換を検討する必要が生じるケースがあり、大きな費用がかかる。
《宅配ボックス》
入居者が不在時に宅配された荷物を入れておく共有のボックス。多くは宅配業者が荷物を入れると暗証番号が発行され、業者はこの番号を書き込んだ不在通知書を郵便受けに入れておき、帰宅した入居者はこの番号によって荷物を取り出すという仕組み。インターネット通販の利用が当たり前の昨今では、新設したい設備として人気が高い。
《鉄筋コンクリート》
補強のため鉄筋を埋め込んだコンクリート。コンクリートは圧縮力に強く、鉄筋は引張り力に強いので両方の特性を生かした構造材となる。
《塗膜》
塗料を塗り、乾燥した後の硬化した状態の膜。様々なものを塗膜でコーティングすることで、雨や紫外線による劣化を防止する。
《二酸化炭素》
空気中に含まれる炭素と酸素の化合物。酸性の性質を有しており、コンクリート内部の水酸化カルシウムと化学反応を起こすことでコンクリート中性化の原因となる。
《破断》
シーリング材などの物体が衝撃や疲労などによって断ち切れてしまうこと。シーリング材の場合、アクリルシーリング、ウレタンシーリング、変性シリコーンシーリングなど様々な種類があり、価格や耐久性(破断しやすさ)に大きく差がある。
《剥がれ》
塗装やタイルなどの外壁材が剥がれるおもな理由としては、紫外線、熱、水分、風などの影響がある。しかし、想定以上に早く剥がれてしまうケースでは、施工不良の疑いがある。原因としては、素地を滑らかにしていない、乾燥不足、塗料や接着剤の選定間違い、下地の洗浄不足などが考えられる。また、これらの原因のいくつかが組み合わさって剥がれが起きる場合もある。
《不具合》
外壁が色あせるといった経年劣化だけでなく、雨漏りや外壁のひび割れなど突発的に生じる調子のよくない状態。また「共用廊下の一部が夜間暗い」といった現状で不便な点も指す。
《浮き》
塗装やタイルなどの外壁材と下地材との間に隙間ができ、一部浮き上がった状態。そのまま放置すると剥がれにつながる。原因のほとんどは剥がれと同じ。
《防水シート》
屋上やバルコニーの床など防水したい床面に敷くゴムやプラスチックのシート。床面に接着剤などで取り付ける。不具合としては破れやシートとシートの接合部の剥がれなどがある。原因としては、固いものの落下や紫外線、熱、水分、風などが考えられる。
《防水シーリング材》
建物の防水性や気密性を維持するために、継ぎ目や隙間に充填する合成樹脂または合成ゴム製のペースト状の材料。経年とともに紫外線、熱、水分、風などによってやせる、またはひび割れていき、雨水などの浸水の原因となる。
《目地》
タイルやレンガを張る際の部材間の継ぎ目、隙間。一般的にはシーリング材などの目地材を充てんして防水性・気密性を維持する。
《梁》
屋根や上階の重みを支えるために横に渡す構造材。柱から柱に渡す大梁、柱から横に突き出す形の片持ち梁(キャンティレバー梁)、大梁と大梁の間に掛ける小梁、天井のデザインのために付ける付梁などがある。
《漏水》
水が漏れること。シーリング材や防水シートの耐用年数は一般的に10年から15年。経年とともにそれらが劣化するだけでなく外壁のひびやタイルのずれなどによる小さな隙間から雨などの水がしみ込んでくるようになる。マンションの場合、構造によっては漏水した場所から遠く離れた部分に漏水してくることもある。その場合は、経験豊富なコンサルタント会社などの専門家でなければ原因を特定することは難しい。

株式会社太陽の工事にかけるプライド

すべては、お客さまのために

「建設業というよりも、まるでサービス業ですね。」時折、そんな評価をお客さまからいただくことがあります。
大規模修繕のもっとも難しい点は、お客さまがふだんの暮らしを営んでいる場で工事を進めていくこと。ですから、工事の計画から職人の日常的な立ち振る舞いにいたるまで、暮らしに対する細やかな配慮が欠かせません。
騒音や振動でご迷惑をお掛けするタイミングや、在宅をお願いする調査・工事などを慎重に段取りし、皆さまに対して丁寧に周知していくのは基本の配慮。生活の場に大勢の見知らぬ職人達が入って来れば、居心地の悪い思いをされる方もいらっしゃるでしょうから、いつでも清潔感と身だしなみを保ち、いき交う方々には気持ちのよいあいさつができるよう心掛けています。
大規模修繕工事の専門業者として、正しい設計・誠実な見積り・優れた工事品質をご提供できるのは当たり前のことです。その上で、どれだけお客さまの暮らしに寄り添ったサービスを提供できるかが、私たちの挑戦するテーマです。

太陽の施工クオリティ

暮らしに寄り添い、お客さまにより多くの「安心」をお届けする。私たちは、そのために独自のサービスを練り上げてきました。工事の仕上がりを見える化する合格基準書、 第三者による品質検査、生活者の視点を取り入れた安全パトロール、非常事態に常時対応する緊急連絡センター、セコム社との提携による防犯対策、もしものための履行保証・地震保険。これら独自のサービスと40余年の経験、累計2000件以上の実績が、 施工のクオリティとお客さまの安心をお約束いたします。

SUNシリーズ一覧

  • ISSUE 01 大規模修繕を知る
  • ISSUE 02 修繕委員のABC
  • ISSUE 03 パートナー選びの基礎知識
  • ISSUE 04 コンサル導入の手引き
  • ISSUE 05 修繕計画の予習帳
  • ISSUE 06 施工会社の選び方