後藤 三知選手・猶本 光選手と代表取締役・阿部悠久子の対談

2016年06月01日

株式会社太陽では2016年から女子サッカーチーム「浦和レッズレディース」の公式パートナーとして、レッズレディースの選手を応援していくことになりました。

今回は、3月に浦和レッズレディースの練習専用グラウンドがあるレッズランドのラウンジにて、浦和レッズレディースの後藤三知選手、猶本光選手の2名と当社代表阿部が対談を行った模様をお伝えいたします。

reds_01

reds_02後藤三知選手(以下、後藤)

このたびは浦和レッズレディースのパートナーになっていただき、ありがとうございます。まずは、株式会社太陽さんが行っている大規模修繕業務がどのようなものなのか教えてください。

代表 阿部悠久子(以下、阿部)

当社は創業から40年以上にわたり、マンションの大規模修繕、定期メンテナンスを行う施工業者として、数多くのマンションの修繕業務を手がけてきました。

マンションは建ってから10年以上経つと防水機能が落ち、塗装も傷んでくるのです。

その際に、居住者のみなさまが安心して長く住むために一棟まるごときれいにするものなのですが、ただ直すだけではなく、マンションの資産価値を下げないための改修も行っています。たとえばエントランスに大理石を施そうとか、照明をもっと明るく使いやすいように位置や形状を変えるとか、玄関のドアを機能性と耐久性が高いものに変えるなど、その時代にあわせてグレードアップする工事も行っています。

もちろん、設備を豪華にすれば良いという単純なことではなく、マンション管理組合のみなさまの大事な修繕積立金の範囲内で、そのマンションに最も適した修繕工事を手がけることを強く意識しています。
有難いことに、工事が完了した際に感謝状をいただく機会も多くなっています。

後藤

今回、浦和レッズレディースのパートナーになっていただけたのは、何かきっかけがあったのですか?

阿部

浦和レッズレディースのパートナー協賛をさせて頂こうと思ったのは、大きく3つあります。
1つめは、当社も設立から40年が経ち、地元の埼玉県に何か貢献したいという話が出まして、それであれば地域に密着している浦和レッズレディースを応援するのがふさわしいのではないかということ。

2つめは男性社会のイメージがある建設業界でも女性が現場で活躍する機会が増えてきたのですが、レッズレディースの選手のみなさんはJリーグのチームと違って、大学に通ったり、企業で働いたりしながらサッカーをやっていらっしゃると聞き、活躍する女性の象徴として、浦和レッズレディースが最もふさわしく、選手のみなさんが活躍することで埼玉の女性も今以上に元気になれるのではと考えました。

3つめは、埼玉県を中心とした青少年の育成に力を入れている浦和レッズの姿勢に共感し、当社も一緒になって埼玉県に住む若者の育成をサポートしていきたいということです。

後藤

阿部社長は16年前に社長に就任されたと伺いましたが、建設関連産業の中で女性がトップを務めるのは、当時としてはすごく珍しかったのではないですか?

阿部

ええ、かなり珍しいケースだと思います。ただ、先ほどもお伝えしたとおり、現在は女性が建設業で活躍する場面も増えてきましたので、将来的には珍しくなくなってくるかもしれませんね。

後藤

太陽さんの職場にはどのくらいの女性が、どういった職種でご活躍なのでしょうか。
また、建設業界でも多い方なのでしょうか。

阿部

正社員、派遣を含めると沢山の女性が当社に在籍しています。職種もさまざまで、フロント営業、営業事務、工事の施工管理、経営管理部門など多岐にわたり活躍しています。やはり女性が元気に働いていると、職場の雰囲気も活発で明るいですよ。

また、当社では産休、育休後も必ず職場に帰って来てもらえるような環境作りをしています。ですから、オフィスの横にある駐輪場には、前後にお子さんを乗せられるママチャリがたくさん停まっていますよ(笑)。
女性が多く、新卒や中途採用どちらでも入って来る、業界では珍しい会社だと思います。

後藤

同じような仕事をしても、女性ならではというところがありますか。

阿部

マンションの修繕工事中をしている平日の日中はだいたいお年寄りか女性が多いのですが、居住者のみなさまにとっては女性の工事担当者の方が安心して話しやすいみたいです。次はどういう工程なのか、いつまでにやるのか、などちょっとしたことを尋ねるのには男性よりも女性の方がいいのでしょうね。特に、工事中の安全確認などは女性担当者が細やかな点にも気づいて改善につなげられています。女性の現場担当者が「うちの息子の嫁にぜひ!」と居住者の方から声を掛けられたこともありましたよ。

後藤

それは、すごいですね(笑)。それほど関係が近しくなるということなのですね。

阿部

5か月とか6か月の間、毎日のように顔を合わせますから、人柄までもよく分かってもらえて、女性の現場担当者だと、お昼を一緒に食べに来なさいと家に誘われることもありますよ。自分の娘や孫のように思ってもらってるんだと思います。

後藤

浦和レッズでもJリーグの男子は、埼玉スタジアムという大きなスタジアムで多くのお客様を前にしてプロの選手たちが躍動しています。また、私たちレディースは、浦和駒場スタジアムでホームゲームを行っていますが、昔から駒場でサッカーを見てきたという方々が徒歩や自転車で来てくださったりして、すごくアットホームな雰囲気の中で試合をさせてもらっています。私たちも仕事を越えてサッカーに打ち込んでいる部分もあるので、私たちのことを娘や孫のように見ていただいている方々もいるんじゃないかと思っています。そういう「ファミリー感」があるのかなと思っていますが、今のお話を聞いて、より一層感じられるようになりました。

阿部

私は実家が北浦和の近くだったので、浦和駒場スタジアムのグラウンドやサブグラウンドで子どもたちがサッカーの練習をしていたのを知っています。ですから、私を含めご近所の人たちはサッカーに対する親近感があると思います。ちなみに、お二方はどういうところにやりがいや生きがいを感じてサッカーをやっておられるのですか。

reds_03猶本光選手(以下、猶本)

私はサッカーを小学校1年生から始めて中学、高校とやってきて、いま22歳なんですけど、サッカーが無かったらどうなっているのだろうというのは思います。これまでもサッカーを通じて仲間も増えましたし、人間としての成長もあったと思います。そういった経験を通じて、今ではサッカーが生きがいになっています。

阿部

苦しいときに一緒に頑張ってきた仲間というのは「同じ釜の飯を食べた仲間」と言いますが、そういうものでしょうね。それが嬉しい場面であれば、なおさらでしょう。

後藤

たしかにそう思います。日常でも、うまくいったことで達成感を味わえたり、人と人とのつながりの中で味わう喜びもあります。それと、新しい発見が日々の中であるのも嬉しいですし、サッカーをやっている充実感がやりがいにつながっているのかなと思います。

阿部

スポーツって横のつながりが大きいですよね。

後藤

ずっと女子サッカーに関わってくれる方がいて私たちがあるわけですし、子どもたち向けのサッカースクールなどにも参加するのですが、いろいろな人とのつながりの中でサッカーをやらせていただいているな、というのを感じます。
先日、「未来くる(みらくる)先生」という事業で小学校に行ったのですが、小学生というのはいろんな夢や目標を持っていると改めて感じました。夢や目標も様々あるからこそ発展していくのだろうな、ということも学ばせてもらいました。私たちのチームでも、同じサッカー選手ですが、能力や考え方がそれぞれ違って、その違いがある選手たちが一つの目標を持ってやることで、達成したときの一体感や充実感があるのだなというのを改めて感じました。

阿部

みなさんはお仕事を掛け持ちしながら、あるいは大学に通いながら活動しているということで、そういう点では男子のJリーグの選手たちより日常生活の苦労も多いのではないですか。

猶本

私は浦和に来るまで、福岡で実家暮らしの高校生でした。浦和に移ってからはチームも変わり、大学が始まり、一人暮らしになり、全てが初めてで最初は大変でした。
でも自分で、ここでやろうと決めたチームだし頑張ろうと思いました。

阿部

日本の女子サッカー選手って、プロになっても男性とはまったく収入が違うんでしょ? 浦和レッズレディースのみなさんは日本の女子サッカーのトップリーグでやっているのに、自分で働いてやっていると聞いて、どうしてそこまでして…というのは思いました。

後藤

今の日本では、サッカーの活動だけで生活できる女子選手はごくわずかです。それでも私たちが忘れちゃいけないなと思うのは、たくさんの人たちに支えてもらって競技生活ができているということです。そういう今の環境も、2011年になでしこジャパン(サッカー女子日本代表)が世界で優勝することで人々に認知していただいたというのがあります。それもこれまで女子サッカーに関わってくださった方々がいたからだと思うんです。これからは、私たち次第だと感じています。ですから、一気にというのではなく、今できることをコツコツと重ねることで、私たちが描く未来に近づいていくんだと思います。
自分が現役選手の間に、多くの女子選手がサッカーだけで生活できる時代が来ればすごくうれしいですが、それがいつか、ということも含めてやっていければと思っています。

reds_04

阿部

みなさんが、もっとサッカーに打ち込むために、私たちが何かできることはないでしょうか。ふだん感じていることで、ちょっと無理だと思うことでもいいから、言ってみてください。どうせ無理、という発想では何も生まれないと思っています。

後藤

試合が昼間にあることが多いので、練習も昼間にできればベストだな、とみんな言っていますが、平日の日中は働いている選手と大学生がほとんどなので、それは難しいと思います。それ以外に、よく話が出るのは…。

猶本

シャワールームに湯船が欲しい! ですかね。

阿部

疲れた後で筋肉をほぐすのに、お風呂は大事ですよね。

後藤

熱い浴槽と、水風呂で交代浴ができたら最高です。連戦もあるので、いかに回復するかがポイントですから。

猶本

それは毎年みんな言っていますね。

阿部

お風呂を作るスペースさえあれば、当社で何とか実現しましょう。聞いて良かったです!

後藤

阿部社長が女子サッカーに注目されたのは、いつごろからですか。

阿部

やっぱり2011年のドイツワールドカップで優勝してからです。それ以来、テレビで放送があれば必ず見ていました。リオ五輪に出られないのは残念ですが、東京オリンピックにはぜひ出場していただきたいですし、レッズレディースからも多くの選手が代表として活躍されることを願っています。私たちもできる限りのバックアップをさせていただきます。

reds_05

当社の工事部社員が現場で使用しているヘルメットをお二方がかぶり、指差し確認のポーズを決めてもらいました。

reds_06

選手全員のサインが入ったユニフォームと、後藤選手、猶本選手からサインを頂いたサッカーボールは、当社エントランスに大事に飾らせていただきます。

浦和レッズレディース 応援プロジェクト一覧に戻る